テマシカ〜日常〜
大体、朝っていうのは一日がこれから始まるというすがすがしいものであるはずなのだ・・・。
・・・だってのになんでうちはいつもこうなるのかねぇ・・・めんどくせー・・・。
少しは目が覚めたときの余韻を楽しませてはくれんのかよ、うちのかみさんは・・・。
はぁ・・・もう少しであいつがやってくるぜ・・・。朝のしじまをなんとやらだ・・・。
「朝よ〜、起きなさ〜い。」
ほら来た。そんでもって毎朝飽きもせず俺はこう答えるわけだ。
「・・・俺はもう起きてるぜ・・・」
まあ、ルーチンワークってのは嫌いじゃないけどね。それよか、何が起きるかわからないほうがよっぽど怖いってもんだ。
「起きるって言うのは、体起こして顔洗ったり歯磨いたりすること。あんたのは目が覚めてるだけ。」
まあ、理屈ではそうなるけどな・・・
「ったく、めんどくせー奴・・・」
「あ、そう。こんなくそ忙しい時に貴重な時間割いてわざわざあんたを起こしてやってる私に向かってそういう態度取るわけ。わかったわよ。後で後悔しても知らないから。」
ったく、めんどくせー・・・。このパターンだとかまいたちかな・・・。以前斬り斬り舞を家の中で口寄せされたときはさすがに焦ったけどね。これくらいならまあなんとかなるわな。要は頭の使いようってな。誰でも術を発動させる瞬間ってのは隙だらけになるもんなんだな、これが。
「忍法――」
ほら来た。そろそろこっちも印を結び始めるとしますか。丑、寅、・・・
「――かまいたちの――」
よし、隙あり・・・忍法影真似の――
「――と見せかけて普通のパンチ!」
なっ・・・!?めんどくせー・・・間に合うか?
「影真似の術!」
「!!」
何とか間に合ったか・・・。今日は結構きわどかったな・・・。
「ふー。影真似の術成功。めんどくせーけど、それ食らったら任務にマジで行けなくなるんでね」
「私のような女に殴られただけで任務に行けなくなるようじゃ、まだまだのようだな、だろ?」
テマリの奴・・・いつものことだがあんま落ち込んでねーな。こりゃまだ当分はつづくな・・・めんどくせー・・・。
「今日の朝ごはんは?」
「食卓にすわればわかる。」
・・・なんだそりゃ?
「ったく、めんどくせー。こちとら会話を楽しもうとしてるだけだってのに。」
「いちいち毎朝毎晩献立を考える方が、めんどくせー、だろ?」
・・・さすが分析派・・・ってところか。めんどくせー・・・
「ハイハイ、そうでしたそうでした。」
「で、ちなみに今日の朝食の献立は、アジの開きと味噌汁といつものだ。」
で、結局言うのかよ・・・
(・・・最初から素直に教えてくれないものかねぇ・・・)
「何か言ったか?」
・・・女ってのは良くわかんねー生き物だな・・・。気まぐれで生きてやがる・・・。
「いや、何も・・・。」
とまあ、こんなかんじで日常は流れていくわけで。日常・・・同じ毎日の繰り返し。
まあ少しくらいの変化はあるけど。
でもこんな何の変哲もないどこにもありそうな・・・とも言い切れないが・・・まあ、なんかそんなような出来事の積み重ねってねもほのぼのしてていいもんだ。
10年前の大蛇丸の時みたいな事件はもうごめんだぜ・・・。まあ、あれがなきゃ今の生活はないわけなんだが、そうなればそれはそれでよろしくやってるだろうしな。
まあとにかく、今日の任務も適当にこなしてくっか。ああ、めんどくせー・・・。
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